ペタの哲学部屋

私ペタ(ハンネ)、が哲学を自重せずに展開していくブログです

現実感と夢想感 心の傷

まず、何が現実で何が空想なのかという問題

実際、その二つを完璧に理解する事は出来ないし
正しく推理しても否定され続ければ
真実を証明する事は出来ない


色即是空という言葉がある

ざっくり説明すると色とは物体の事で
空とは空間の事
そして即是とは、それらが相対的で切り離せない
という事

科学的な言葉だと
質量保存の法則、がそれに近いと思う

木とかを燃やして、出てくる煙や灰
それを逃がさないでビーカーに溜めた場合
燃える前の木と燃えた後の木の重さは変わらない

十代の時理科の実験でそれを知った時は驚いた
その事実がどういう事かというと

この地球上では物体が何一つ消滅していない
という事、つまり死んだ人も食われた動物も
形を変えているだけで何処かを漂っているという事

物理的な意味での空間と物質
その違を完璧に区別する事は出来ない
特殊な装置を使って、完全に物体が存在しない空間
を作れるかどうかは知らない

真空状態というのがあるが、どこまで真空なのか解らないし
電子や素粒子、波動まで遮断する事が出来るか怪しい

あらゆる物を遮断するとなるとパラドックスが発生し
認識可能な要素を全て取ったとしたら認識が出来ない

だからこそ色即是空
もはや物体と空間を分けて考える事自体が不毛なのだ

物理現象として無と有を完全に区別する事が不毛だとして

情報も幻想と現実を完全に区別する事も不毛と言える

ただ、完全に というのが不毛なのであって
ある程度は区別できる

妄想が過ぎていたり、逆に想像力が無すぎるのも
異常と思われる

妄想や想像、予想、予測というのは
並列的思考のなせる技で

現実や再現性、確実な結果を出す
というのが直列的思考のなせる技だ

並列も直列も結局は使い方次第で

想像や妄想を広げるという、並列思考で
情報を並列的に考えると視野が広がり
より長い時系列の未来を想像できるようになる
しかし広げれば広げる程的中率が下がる

直列の場合つなげ合わせる情報が近ければ近い程
的中率が上がる
ダーツを近い距離で投げれば当たりやすいように
それは当たり前の事だ
計算や考えが速ければいいという物でもなく
たいして考えもせず、
はい、いいえ、違います、そうです
と繰り返しているとそれはそれで間違える

議論が水掛け論になり長引く場合や
クレーム処理が尾を引く場合には特徴があって
直列的、決断が早すぎるという事がある
即答する事によって帰って摩擦を産み
問題を悪化させ長引かせるケースは多い

現実感と夢想感には傷を回復させる使い方があって

夢想感で心を満たすというのは
傷口を水で満たすような物で
水ぶくれが傷を早く回復させる効果に近い

ただし放置しすぎて雑菌が入ると被れる

だから時々水を抜いたほうがいい時もある
この水抜きをして傷を見るという行為が
傷心の原因を直接見て治療する事と言え
心の奥にある傷が深い場合
現実を直視するには時間をかけたほうがいい事もある

現実感の押し付け、現実を追いすぎるのも問題があって
人間には服や肉体が必要で
それらを引き剥がして脳だけ生きれる訳でなく
剥がしたら駄目なカサブタを剥いでしまったり
他人を傷つけてしまったり大切な物を見失ってしまう事がある

現実感として解りやすい報酬が
金や勝利、社会的地位、他者と比べた優位性がある
しかし、本当にそれが現実かというと完璧な答えは無く
現実を追いすぎるとワーカーホリックや不眠症になる

人が傷つき傷つけあう
というのは世の常で
誰一人傷つけるなと言うのは無理があるし
性悪説を否定する事も出来ないが
勝者だけが生き残る世界は破滅する
悪には悪なりの配慮
不良の喧嘩やヤクザの世界にも
義理と任侠が必要だ
闘争は時として必要だが目的を見失ってはいけないし
身勝手で人を傷つけたり卑怯なのは駄目だ


温室栽培で痛みや心傷の仕組みを知らずに
他人を傷つける場合もあるのだろう
いっその事ぶん殴ってしまえば話は早いケースもあるのかもしれないが
そうも行かない
社会的に問題があるし
倫理的に判断するには深い思慮と広い視野、学びが必要だ


世の中を良くするには傷を治す事と
摩擦に強くなる事
その状況判断とバランスの配慮が必要なのかもしれない