ペタの哲学部屋

私ペタ(ハンネ)、が哲学を自重せずに展開していくブログです

In to the wild


この記事は映画評論であると共に

自分の人生観も表す


In to the wild

この映画、結論からして

私はこの映画が大好きだ

ざっくりと説明するとヒッピーが旅をする映画なのだが

ヒッピー的な雰囲気が大好きだ

荒野、インディアン、鷹、大地、自然

サバイバルナイフ、強さ、野生、試練

精霊、そして何よりも、自由


そんなエッセンスがたっぷり詰まった映画だ

ネタバレしてしまって恐縮だが

この主人公は旅の果てに死ぬ

その点がこの映画の最大の醍醐味だと思う

ネタバレしたからといってつまらなくなる話なんてものは安い手品みたいな物だ

エンターテイメントは種明かしとは関係無く心を震わせる


自由、本当の自由を求めて主人公は旅をする

手垢のついた金や物の価値観では無い

自然に回帰する事によって得られる

誇り高く、苦しく、余りにも眩しい自由


そしてその自由を求めるあまり

主人公は飢えて死ぬ

心配に苦しむ家族を残して

自由を求め続けた先にある物

究極の自由は死を表している

と言うのがこの映画の最大の教訓だ


何者にも邪魔されない究極の快感と共に

夜に訪れる究極の孤独

彼は様々な素敵な経験を積むが

最大の不幸として

それを分かち合う人が居なかった


自分は割と放浪癖のような節がある

かなり親を泣かした

当たり前、と言うの概念に不服を感じ

徹底的に刃向かうタイプの人間だったので

何かと苦労をかけて来た


何かとすったもんだした結果

私は彼の様に自然に回帰する事を望んだが

辞めた

普通に寒いし、普通に腹減るし

ここ日本だし

そこで学んだ事は、別に甘えてもいい

と言う事

完全に自立した人間はもはや人じゃない

社会人は皆何かしら甘い汁をすすっている

だから日本人は日本に居たら自然に帰れない

色々と頑張ってみる

欲しくも無い苦しみをただただ買ってみる

そうして解る事は人は弱い生き物だと言う事


弱さに甘える人間は醜い

けれどもどんなに頑張っても人は人

弱く醜い蛭のような生き物


だけど強くなろうとする事は出来る

そして少しづつなら強くなれる

強さとは何か

それは人には解らない

何故なら人は弱いから


強さとは

ただ求め続ける光の事だ

その姿勢を強さと呼ぶ

卑怯に甘い汁をすすり肥る事では無い


しかし、その先にある物は

孤独な死だ


映画は映画だからいい

究極を求めて本当に究極になったら虚しいだけだ


自分はどこか文明的な冷たさに孤立感を感じる物の

文明の汁を啜れる環境をある程度良かったと思う

人の為に料理を作るのは楽しい

食材の素晴らしさを伝える為に工夫して

多少は食の有難さに気がついてもらえるからだ

しかし何かとケチをつけたがるだけの文化中毒者がそれを比較の道具にしてしまう

だからただ料理を作ればいいとも限らない

しかし堅苦しい事を言わず食卓を盛り上げる事も真の料理人と言えるのかもしれない


ただ一つ言いたい事は

誇り高き者を侮辱するのは辞めるべきだと言う事

努力をする人、強く生きる命

美しい自然

儚い心


解らない人には解らない

解ったなら次に進めばいい


汚れの無いまま生きていくのは難しい

けれどもその汚れは洗える

手遅れで純粋を汚す狂人になる前に

人は気高さを取り戻さないといけない