ペタの哲学部屋

私ペタ(ハンネ)、が哲学を自重せずに展開していくブログです

一人で生きていける、とは

一人で生きていけるとは

あなたは一人で生きていける
あいつは一人でも生きていける

そんな言葉がある
そしてこの言葉はもっと深く考えた方がいい言葉だ

まず一人で生きていく、とは
どう言う意味なのか

問題となるのは一体
「何処で」一人でも生きていけるかだ

この国で一人でも生きていける
と言う事となると
それはどんな人間か?

この国は人だらけで
この国で生きて行く事は人に頼る事だ

つまりこの国における
一人でも生きていける人
とは特定の誰かでなくても
別の誰かに頼る事が出来る人間と言う事になる
そしてそれがどんな人間かと言うと
友達が多く社交的でなんらかの魅力がある人間だ
また、魅力とは
何処か頼りない、助けてあげたくなる
と言う要素も含まれている

つまり、一人でも生きていける人
と言うのを強そうな人
と考えるのは間違いだ

この国における
本当の一人でも生きていける人
とは
どんなに弱っていても誰かから助けてもらえる人の事で
本当は囲いが沢山、
充分いる人に対しての協力は
募金くらいの価値しか無い

さてでは
無人島で一人で生きていける人とは
どんな人か

動物としては強いが
人間としては弱い人
と言う事になる

なのでパッと見一人で生きて行けそうな
強い人は
この国で一人で生きて行くのが難しい

出る杭は打たれる
と言う事がどう言う事かを考えると

人は壁や建物を見てもあまり邪魔だと思わない
しかし面積の小さい杭は邪魔なのだ

本当は自分と無関係なビルが建っているのは凄く邪魔だが
誰も文句を言わず
ビルを避けて道が出来る

でもそれがビルでなく
突然生えた1本の竹だったら
その竹が折られる可能性は高い

つまり、才能がある人は一人で生きて行くのは協力者が現れにくく難しいのである

しかし生物には生き残る為の本能や戦術がある

めちゃくちゃ邪魔なビルがなぜ許されているのか?
それは組織化され正当化されているからだ
才能豊かなミュージシャンはバンドを組むから才能豊かなミュージシャンとして生きていける

例えば世界一の技術を持ったギタリストが
何の文脈も無しに突然発生したとする
このギタリストは果たして成功出来るだろうか?

多分、それだけでは実際難しいはずだ
なので彼は生きる為に何らかの戦略や協力者が必要になる

場合によってはギターを捨てる事にもなりうる
他の仕事をすれば生きていけるからだ
だが世界一のギタリストがギターを捨てたら
世界一のギタリストとしての人は死ぬ
生きて行けなくなる
と言う事だ

彼は本当にギターを捨ててまで
平凡な生活を手に入れる価値があるのだろうか?
例えば一生成功しなくても
ギターは捨てるべきでないはずだ

出る杭が打たれるのは仕方がなく
ビルの骨組みは野ざらしのままだと錆びて折れる
ならば杭を捨てずに生き残るには
その杭を折り畳み可能な傘にすればいい

折り畳み傘を時々広げ
畳んでいた才能という羽を伸ばし
人知れず飛ばなくては鳥として生きて行けない
それは決して無駄な努力でも
無駄な才能でもない

認められない才能を磨く事に意味は無いと思われても関係ない
生きて行くのに必死なだけだ